2010年12月16日木曜日

忘年ワイン会 駒込 Le Lutin

師匠の忘年ワイン会。駒込のル・リュタン(Le Lutin、http://r.tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13012399/)にて。

はじめての駒込。お店は、後楽園と並ぶ江戸の二大庭園で、桜や紅葉の名所、明治時代には岩崎弥太郎が所有していたという六義園(りくぎえん)のそばにあります。マダムのお話によれば、店名のリュタンとは、フランス、アルザス地方のヴォージュ山脈に住むいたずら好きの妖精のこと。その妖精が六義園に引っ越してきて、このお店でお料理をしている、というストーリーなのだとか。でも実際に腕を振るっているのはこちらのシェフ。


師匠を慕って集まったのはいつもの会より多めの17名、お店は貸し切り。デザートワイン以外はすべて通常のボトルの倍の大きさのマグナムボトルという、本当にぜいたくな忘年会です。

Marc Hebrart Champagne Brut Selection 1er Cru Magnum NV
マーク・エブラールは家族経営のレコルタン・マニピュラン。ドラモットと比べてよりフレッシュでフルーティー。ライムやグレープフルーツ、白いお花、少しナッツとはちみつ。


キッシュ・ロレーヌとグジェール
キッシュにはベーコンとオニオン、グジェールにはグリエールチーズと帆立のムースが入っています。どちらも超ミニチュアサイズ。


北海道厚岸(あっけし)産カキのミ・キュイ、蕪のクーリーと潮の香りのジュレ
殻ごと蒸して半煮え状態にして旨みを凝縮させたカキの下に、クリームと合わせた蕪のソースが敷いてあります。



Delamotte Champagne Brut Magnum NV
ドラモットはマーク・エブラールよりも香ばしく、クリーミー。洋梨やヘーゼルナッツ。


佐渡ヶ島直送!寒ぶりのタルタル、ゆず風味のサラダ仕立て
今朝届いたばかりのタルタルにゆずのドレッシング。


ここから、ブラインド。

白一本め、師匠からのヒントは「高い格付けのワインで、まだ少し硬いと思います」上品な樽香はブルゴーニュぽい。たっぷりとした果実味と香り、ふわっとお花の香り。まだ若い印象。

Hospices de Beaune Meursault Genevriere Cuvee Baudot Magnum 2002
答えは、オスピス・ド・ボーヌのムルソー、プルミエ・クリュ。



フランス産フレッシュフォアグラのポワレ、洋栗のピュレとバルサミコのソース
ソースには、カルダモン、コリアンダー、クローブなどのスパイスが入っています。


白二本め。ヒントは「飲み頃に入ったいい作り手のワインです」口あたりはとろりと甘く、デザートワインのよう。特徴的なペトロール(石油)香、たき火やクレームブリュレのように香ばしくて甘い、冬のイメージ。

Domaine Zind-Humbrecht Riesling Grand Cru Brand Turckheim 1997
答えは、アルザスのリースリングでした。熟成リースリングの見本のような香りが見事。本当においしい。


赤一本め。ヒントは「比較的熟成したワイン」外観は、にごり酒のよう。ジャミーでブラックチェリーを煮詰めたような香り。甘草、リコリスの甘苦さ。暖かい場所で育った感じ、南フランスぽい。ローヌ?

Domaine La Terrase d'Elise Vin de Pays de L'Herault Le Pradel Magnum 2002
答えは、フランス、ラングドック地方エロー県のサンソー100%。師匠曰く、サンソーも熟成するとピノ・ノワールっぽくなるのだとか。確かに、時間を置くと、品のある香りに変わっていきました。



フレッシュオマール海老とフランス産時ロール茸のソテー、アメリケーヌソース
オマール海老はカナダから。


フランス、スーラン産鴨胸肉”カナール・マレ”のロースト、モリーユ茸とマデラ酒のソース
スーランはボルドーの北。シャラン産の鴨よりより野生に近く、シェフのお好みなのだとか。


赤二本め。ヒントは「木箱に入った高格付けワインでまだ若すぎると思いますが、忘年会ですから思い切ってあけてみましょう!(でもこのワインの個性は出ていると思います)この作り手の最上級キュヴェです」香り嗅いだとたん、前に座ったワインのプロの方が「ユーカリミント!」と一言。「ユーカリの香りが分からないんです」と言うと、「オイリーな香りにハーブが乗っかったような感じ」「ボルドーのミント香とは違う」と口ぐちに教えて下さいます。覚えておかなきゃ。ペッパーステーキのような香りもあります。フルーティーで凝縮した甘さ。ぜんぶ合わせて考えると、オーストラリア?

Hardys Eileen Hardy Shiraz McLaren Vale Pathaway Magnum 1994
答えは、オーストラリアのシラーズ。勉強になりました~


赤三本め。ヒントは「古酒の部類に入りますが、マグナムのためまだ硬いと思います(でもおいしいと思います)」お出汁や紅茶を思わせる、熟成した香り。でも、味わいは若々しい。ブルゴーニュまでは分かります。ワインの先輩方は地図を見ながらもっと細かく分析・・・聞いているだけで楽しい!

Domaine Robert Arnoux Nuits St-Georges Les Proces Magnum 1989
答えは、ニュイ・サンジョルジュのプルミエ・クリュ、レ・プリュリエ(Les Pruliers)を構成する二つの区画のうちの一つ、レ・プロセでした。ニュイ・サンジョルジュはみなさん想定外だったよう。



赤四本め。ヒントは「今年購入した古酒で状態は不明ですが、熟成していると思います」若いカベルネ・フランのような、青いピーマンの香り。ふかした豆っぽい、という方も。古酒とは思えない豊かな果実味は甘く感じられるほど。

Chateau Malescot Saint-Exupery Magnum 1979
答えは、メドック格付け3級シャトー、マルゴーの星の王子様でした。



デザートは、ガトーショコラとアールグレイティーのアイス


Chateau Rieussec 1997
貴腐ワイン。香ばしい香りがアールグレイのアイスと相性ぴったり。キラキラしてます☆*・



これだけマグナムを一度に飲む機会はあまりないと思います。さすが、師匠の忘年会。お料理も品数は多かったのですが、ボリュームが控えめだったのでめずらしくほぼ完食できました。

駒込駅からお店までの間に、他にもワインが飲めそうな素敵なレストランがちらほら。桜の季節になったら、六義園でのお花見がてらみんなで来たいな~