2010年11月29日月曜日

熟成コート・ロティの会

ワインの師匠のご紹介で、初めての参加させていただいた月曜日のワイン会。今回は、熟成コート・ロティの会です。神田Villa Due(http://www.villa-due.com/index.htmlにて。

到着すると、すでに最初の三種類がグラスに注がれてそれぞれのテーブルに。みなさん黙々と飲み始めていました。いつものおもしろ系ワイン会とはちょっと雰囲気が違います…開始から20分経ったら、そこから10分おきに一つずつグラスが回収され、次のワインが運ばれてきます。

コート・ロティはフランス、ローヌ地方の最北端にあるAOC。名前の「コート・ロティ」は”焼けた丘”という意味で、太陽の降り注ぐ南東に向いた段々畑で、凝縮感が高く、香り高い、女性的なワインができるのだそう。とても高価なワインとしても有名。今回のような機会はめったにありません!

コート・ロティで生産されているのは、シラー主体の赤ワインのみ(但し、20%までヴィオニエを使用して良い)。実は、フランスのシラーは、母も私も利き酒で外した、いわば因縁の品種…


1985 Cote Rotie, Bernard Burgaud
エッジがオレンジ色。なめし皮、腐葉土のような熟成香、コーヒー。酸味がきれい。

1983 Cote Rotie, B. Levet
香りのボリュームがあり、甘く華やか。アルコール度数が高めな印象。酸味はおだやかで、果実味が豊かで、やや甘苦く感じられる。

1983 Cote Rotie Les Jumelles, Paul Jaboulet
ブラックベリーのようなぎゅっとした香りと果実味。

お料理一皿めは、真鯛と帆立のグリリアータ、椎茸とごぼうのミネストラ



1983 Cote Rotie, Vallouit
やや濃い色合い。ドライプルーンのようなやや鉄っぽい香り。飲んでみるとフルーティー、少しタンニンからくる苦みのようなものが感じられて口の中がきゅっとなる。江戸紫のような不思議な香りは、何らかの原因があるのかも、とのこと。

1983 Cote Rotie, Pierre Barge
淡い色合い。熟した黒すぐりの香り。②に似ているけど、やや香りのボリュームは控えめで、よりエレガント。甘苦さはない。素直においしい。

1982 Cote Rotie, Pierre Barge
みなさん「ブショネでは?」と、しばらく検証されていましたが…よく分からず。そう言われてみれば少し湿ったような香りがする気も。結局は、ブショネではなかったようです。香りも味わいもおとなしめ。

お料理二皿めは、牛テールと九条ネギ、ドライトマトのリゾット
牛テールとドライトマトの組み合わせは、シラーの味わいにぴったり。


ここからは、「コート・デュ・ローヌの帝王」、ギガルのワインが続きます。まずは、スタンダードなブリュンヌ・エ・ブロンドから…

1985 Cote Rotie Brune et Blonde, E. Guigal
やや澱が見られ、濃いめの色合い。ちょっと動物的な香り。暖かい雰囲気。濃縮感があります。果実味からのたっぷりとした甘さ。おいしい。

1983 Cote Rotie Brune et Blonde, E. Guigal
澄んで輝きのある外観。淹れたてのエスプレッソのようなロースティーさ、芳醇な香り。⑦よりも大人っぽく、色気があって、妖艶な雰囲気。とてもキレイな味わい。

1981 Cote Rotie Brune et Blonde, E. Guigal
⑧ほどロースティーさはなく、ブラックベリーのような黒い熟した果実の香りと味わいが中心。酸味とのバランスが良い。

お料理三皿めは、豚肩ロースの赤ワイン煮、大根と蓮根のコントルノ


そして、いよいよ…ラ・ランドンヌとラ・ムーリーヌ!1980年代に世界的に名声を得たと言う、ギガルの単一畑名入りシンデレラワインです。

1986 Cote Rotie La Landonne, E. Guigal
ラ・ランドンヌは100%新樽で42か月間、熟成させるとのこと。しばらく経つとバニラの甘い香りが立ってきました。

1984 Cote Rotie La Landonne, E. Guigal
甘い香りの⑩よりもロースティーで、凝縮した果実の香りと味わいが支配的でした。

1977 Cote Rotie La Mouline, E. Guigal
ラ・ランドンヌと同じく、100%新樽で42カ月間熟成。ヴィオニエが5%程度入っているとのこと。1977年のワインなのに、まだまだフルーティーで、バランスの良い味わいには驚きました。

2時間で12種類、お勉強モードは最後まで維持したものの、さすがに酔いが回ってしまったみたい。みなさん強い、そして経験豊富。本当に楽しかった!

なかなか飲めない貴重なワインたち、ちゃんと最後まで味わいきれたのか…正直言ってあまり自信がありません。次はペース配分に注意しなきゃ。



2010年11月25日木曜日

ヌーヴォー飲み比べ 続編 恵比寿 MONBOUSQUET

すっかりはまっているヌーヴォー飲み比べ、BISTROT A VIN MONBOUSQUET(http://www.monbousquet.net/にて。ずいぶんひさびさ、二回めの訪店。

こちらのボージョレ・ヌーヴォーは4種類。解禁日に飲んだ中で一番気に入った、ジャン・フォワイヤールは完売でした!既に二回飲んだ、マルセル・ラピエールもありましたよ~

今年お初のラニョー(Lagneau)ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーはグラスで。「樹齢55年~100年以上の古木のぶどうから造られた、クラシックなヌーヴォー。」とのこと。エチケットのイメージどおり、フレッシュなフランボワーズを煮詰めたソースのよう。可愛らしいワイン。


時間をかけても楽しめそうな、フレデリック・コサール(Frederic Cossard)ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール「レ・ラパン・モノポール」はボトルで。”ラパン(うさぎ)”は単一畑の名前だそう。


お料理は、シェフおまかせの4,200円のプリフィクス。前菜の盛り合わせ。


ほっとけ栗たんかぼちゃのポタージュ。


イサキのポワレ。

蝦夷鹿のロースト、トリュフソースは、11月のおすすめ料理。北海道釧路産、野生の蝦夷鹿だそう。
やわらかくてジューシーでした~


食後酒は、スデュイロー(ソーテルヌ)とラタフィア・ド・シャンパーニュ。最後にデザートかチーズを選べるので、チーズの盛り合わせをいただきました。


やっぱり素敵なお店!ジビエに合う飲み頃ローヌワイン&おすすめブルゴーニュのワインリストも、いい感じでした。大岡さんのル・カノンが気になった。また行きたいな~



2010年11月20日土曜日

ヌーヴォー飲み比べ アドバイザーデビューワイン会編

ヌーヴォー解禁後の週末は、愛媛の実家へ戻ってワイン会のお手伝い。

午前中のうちにお料理の買い物にはお伴したものの、ごはんを食べておなかいっぱいになったら、連日の移動疲れからかついつい昼寝してしまい…起きたらもう会場のセットアップは完了してました!フランスにちなんだトリコロールカラー。ランチョンマットにしているのは地元名産の和紙。


始まってから、もうすぐ15年目を迎えるワイン会2005年のヌーヴォー解禁日には、地方新聞で取り上げられたこともありました。ワインの勉強を始めてから、やっとその凄さが分かってきた感じ。


ウェルカム・ワインはデア・ノイエ。フランスワインより早い11月1日から販売が認められている、ドイツワインの新酒。発酵途中で瓶詰めされるそうで、ぷちぷち泡がはじけてフレッシュ感たっぷり。ハルブトロッケン(半辛口)表示ですが、やや甘みが感じられて、ワインを飲み慣れない女性にもおすすめできそう。


ジョセフ・ランドロンのミュスカデ・プリムール。ロワール地方、ペイ・ナンテ地区の新酒です。デア・ノイエの後だったこともあり、レモンのようなきりりとした酸味が際立ちます。レモン風味のドレッシングを和えたサラダや、生ハムとの相性が良かったみたい。


ドメ−ヌ・ジョベールのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー。 ブルイィの自然派。開けてすぐの特徴のある香りで、苦手と思ってしまった方が多かったようです。自然派ワインによく感じられる、いわゆるビオ香のようなものは時間を置くとなくなり、甘いフランボワーズソースのような香りと味わいに。


シリル・アロンゾのランセストラ P・U・R ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール。2009年はリキュールのような濃ゆい仕上がりだったそうですが、2010年は一転、とにかくフレッシュでキュートな苺ちゃんワインに。ボージョレ・ヌーヴォーのイメージにぴったりで、この日飲んだ中では一番好きでした。


アンリ・フェッシ−のボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー トラディション。しっかりとした味わいですが、酸味や渋味のバランスもとても良く、何よりも開けてから時間が経っても味わいがあまり変わらないので、どなたにもおすすめしやすそう。素直においしいと言えるヌーヴォー。


差し入れしたマルセル・ラピエールのボジョレ−・ヌーヴォー。解禁日に続いて、二回目の追悼の杯。開けてすぐのバランスの良さはさすが。時間が経つにつれ酸味が際立っていく印象。


いつもより参加人数が多かったそうで、ワインもお料理もカウンターに置いたものを好きなだけ注いでいくビュッフェ方式。人気投票の結果は、来年の発注の参考になります。


お料理もなかなか好評でした~タジン鍋、やっぱりいいね。

やはりヌーヴォーだけだと飲み足りない、ということで…

シャトー・ラシュネ1993、オー・メドック。まろやか、飲みごろです。だんだんとボルドー好きになりつつあります。差し入れの大判焼きとはそれほど合わず。


シャトー・ラ・プージェード2005、カオール。マルベック主体、メルロー等。試飲用を開けたのですが、まだまだ若い。アルコール度数は13.5%。なぜか大判焼きと合わせるとフルーティーな味わいになり、意外にも一本きれいに空きました~


「去年飲んだのと、今年は違うな~」と、みなさん、飲みのキャリアが違うコメントが多く、ひよっこアドバイザーとしてはとても勉強になりました。知識だけでなく、経験も積まないと!


ワイン会はこれでお開き。二次会にお誘いいただき…シバリス(http://www.e-komachi.com/web/gourmet/detail.asp?tnid=24636)にて、カヴァで乾杯。


マンサリーニャでシメ。地方ならでは、運転代行が迎えに来て、つぎつぎ去っていくみなさんをお見送りしてから家へ戻りました。近所なんです。


ひよっこアドバイザーを今後ともよろしくお願いします~





2010年11月18日木曜日

ヌーヴォー飲み比べ 解禁日編 渋谷 IZAKAYA VIN

先週末、無事、憧れのボルドー&パリから戻りました!たくさんメモを取って、写真も700枚近く撮影したので、旅行記執筆に取りかかるには思い切りが必要…というわけで、しばしお待ち下さい。

その前に…

今年もやってきました、11月の第3木曜日。日本ではもっぱらボージョレ・ヌーヴォーの解禁日として有名です。

「ヌーヴォー」と「プリムール」はどちらも”新しい”という意味で、「ヴァン・ヌーヴォー」も「ヴァン・ド・プリムール」も新酒のこと。ボージョレ・ヌーヴォーが特に有名ですが、ボージョレ地区以外の新酒も同日からの販売が認められています。今年はいろいろ飲み比べてみましたよ。

まずは、解禁日。渋谷のIZAKAYA VIN(http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13002063/)へ。
素晴らしいワインをグラスで楽しめるお店です。もちろん、お値段もそれなりですが…


一杯めは、白のヌーヴォー。コート・デュ・ローヌ地方、グラン・コリーヌのVdT アルディッシュ・ブラン・ヌーヴォー。造り手は、なんと日本人の大岡弘武さん。シャルドネ主体で、その他ヴィオニエ等。フランスで日本人が造る自然派ワインです。発酵途中のワインに王冠で蓋をするそうで、濁り酒のような状態、微発泡です。爽やかで甘い白い花のような香り、少し甘みも感じられて、かなり個性的な味わい。


赤は、有名どころを飲み比べ。


一番左はフィリップ・パカレのボージョレ・ヴァン・ド・プリムール。鮮やかなルビー色で、フレッシュな木苺を思わせるキュートな味わい。

左から二番めは、「自然派の元祖」「ボジョレーの大御所」と呼ばれる存在で、この日を待たず急逝したのを惜しむ声が多く聞かれたマルセル・ラピエール遺作のボージョレ・ヌーヴォー。苺ジャムのような凝縮感とバランスの良さはさすが。マルセル・ラピエールのボージョレ・ヌーヴォーはもう一種類あるみたいなので、そっちも飲んでみたいな~

左から三番目はフレデリック・コサールのボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ラパン。残念ながら写っていないのですが、うさぎ(ラパン)の絵がエチケットに描かれています。「ゆっくり飲んで下さい」と言うソムリエールさんの言葉どおり、時間が経つにつれ次第に開いて行きました。ラピエールがジャムとしたら、こちらはリキュール。かなり濃ゆい味わい、飲みごたえあり。

いちばん右は、ティエリー・ピュズラのヴァン・ヌーヴォー・デュ・テュエ・ブッフ。ボージョレではなく、ロワール地方のヌーヴォーです。大岡さんの王冠とは違って、コルクで栓をするためか、ワイン仲間が注文した白は輸送途中に吹きこぼれてしまい、ダメになったのだとか。赤なのに微発泡、いかにもまだ発酵中。酵母たちがぱくぱく糖を食べてる音が、しゅわしゅわ~っと聞こえます♡

そしてこの日、一番気に入ったのが、こちら。ジャン・フォワイヤールのボージョレ・ヌーヴォー。ラピエールのお弟子さんだそうです。まるで大好きなピノのよう。さっそくネットで探して注文しました~


待ち合わせの間、アンリ・ジローのEspritに合わせて頼んだ、平アジと野菜のマリネ。


フォアグラとドライイチジクのパテ。ジャガイモのしゃきしゃきソテーと同じく、定番。


キノコのソテー。


「ヌーヴォーもそろそろ飽きてきませんか?」とソムリエールさん。おっしゃる通りです…

たまたま、バースデー・ヴィンテージのBEAUNE 1976, Michel Gaunouxがグラスでいただけると言うので、奮発して…二人で一杯を分け合いました!ダシがきいてるな~


Chambolle Musigny 2000, Hudelot Noella。やっぱりおいしい。


「そろそろ、ボルドーいきますか?」とソムリエールさん。はい、いきます。

Chateau Lagrance 2006。ボルドーの中では、特にサンジュリアンが好み。


Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2004は、グラスで出した残りの澱をいただきました。澱でもじゅうぶん楽しめます。甘い香りがなんとも言えないっ!


Pontet-Canet 2004。ポン様、まだまだお若い!


仔羊(アニョー)のロースト。美味しくいただきました。絶品でした~


これまで飲まず嫌いだったヌーヴォー。産地や造り手によっていろいろな味が楽しめることがわかりました。しかも、同じ造り手でもその年によって全然違うこともよくあるそうで…

ヌーヴォー飲み比べ アドバイザーデビューワイン会編に続く!