2010年11月9日火曜日

2010 ボルドー&パリ シャトー巡りソーテルヌ編 スデュイロー

ボルドー二日めも冷たい雨。


トゥルニー通りまで歩いて、Cafe Napoleon 3(http://www.cafenapoleon3.com/で朝ごはん。ここのショコラ・ショーが一番美味しかった~


シャトー巡り再開、まずはソーテルヌ地区へ。ジロンド河はかなり増水中。高速道路を走っていると、試験で覚えた地名の標識が次々登場します。ガイドさんの激しい運転にちょっと気持ち悪くなりつつ、プレニャック村のシャトー・スデュイロー(Ch. Suduiraut、ソーテルヌ地区1級、http://www.suduiraut.com/)に到着。


遠くに小さ~く見えるのが、ソーテルヌ村の丘の上に建つ、シャトー・ディケム(Ch. d'Yquem、ソーテルヌ地区特別第1級、http://www.yquem.fr/)の城館。そのすぐそば、スデュイローはプレニャック村にある100haの大規模なシャトー。1992年から保険会社のアクサが所有しています。


ソーテルヌ地区は、ボトリティス・シネレア菌の働きで貴腐ぶどうとなったセミヨン種から造った黄金色の甘口白ワインの産地。温かいガロンヌ河と、ピレネー山脈から流れてくる冷たいシロン河の間に挟まれた盆地では、温度差のため朝は霧が発生しやすく、午後はからりと晴れるため、ふつうはぶどうを腐らせてしまうかび菌が、貴腐ぶどうを造る働きをします。


貴腐ぶどうを造る、ボトリティス・シネレア菌

9月末から2か月くらいかけて、菌がついた果粒のみを、ぶどう樹1本あたり4~5回に分けて収穫するそう。ちょうど明日、収穫が終わるというタイミングでした。実際にぶどうを見せてもらうと、黄色い果粒に斑点がつき、だんだんと色が濃くなり、糖度の高い干しぶどう状になっていく様子が分かります。よくこんな腐ったぶどうをワインにしようと思ったなあ~とつくづく。スデュイローは1本のぶどう樹からグラス2杯、イケムは1杯の貴腐ワインしかできないそう。本当に贅沢な飲みもの。お高い訳です。


中で風船が膨らみ空気の圧力でやさしく絞るメンブランプレスと、垂直型プレスで2回圧搾したのち、一晩寝かして濁りを取ります。



木樽の穴に耳を当てて、アルコール発酵中のしゅわしゅわ音を聞かせてもらいました!もやしもんたちが一生懸命に醸してる姿を想像すると、かわいくて愛しくてたまりません。7社のフレンチオークの樽を使用。新樽比率は30%で、ミディアムロースト。バニラやノワゼットの風味をつけます。


ワイン酵母のサッカロミセス・セレヴィシエ

20~24℃で15~20日後おくと、糖分が1リットルあたり150g、アルコール度数13~14度のワインになります。収穫した時期毎に発酵を進めるので、出来上がるワインは50種類にも。いったんステンレスタンクに移したら、甘みを残すため、硫黄で酵母菌を殺してアルコール発酵を止めてしまいます。


ふたたび、木樽に戻して1~2年熟成。3か月ごとに補酒や澱引きをしながら、ディレクター2名と醸造責任者2名の計4名で毎月試飲し、ブレンド比率を決めるのだそう。


城館は、1650年にスデュイロー伯爵が建てたもの。裏手には、ヴェルサイユ宮殿と同じ設計者の手によるフランス庭園があります。あいにくの雨で、散策できなかったのが残念。


さてさて、午前中から貴腐ワインを試飲します。あたたかみのあるテイスティングルーム。


セカンド、カステルノー・ド・スデュイローの2003年。あんずのコンポートのような香り。オレンジマーマレードのような、ジャムっぽさの中にも柑橘系のさわやかさが感じられ、すっきりした味わい。


シャトー・スデュイローの2000年。日当たりのいい丘のぶどうから造られるのだそう。セカンドよりも重みや厚みがあり、とろりとしていて、貴腐ワイン独特の複雑な風味がより強く感じられます。


貴腐ワインと言えば、フォアグラやブルーチーズを合わせるのが一般的ですが、辛いものやスパイシーなものを合わせるのが現地での最近の流行なのだとか。朝イチで貴腐ワインなんて~と思っていたのに、意外とするする飲めてしまい、お土産ワインもお買い上げ。リーズナブルでした。

朝シャンならぬ、朝ソーテルヌ、結構いいかも!?

シャトー巡りサンテミリオン編 カノンへ続く!