「実践マリアージュイタリア地方料理とワイン(前編)」の2回めはロンバルディア州。
青山のIVY HALLにて。
ロンバルディア州の州都はミラノ、というとすごく都会のイメージがありますが、実際は南北で大きな差が。北部はスイスとの国境近く。土地が痩せているため貧しく、フランスのブルターニュ地方同様、小麦はハレの日くらいで、日常は蕎麦をパスタにして食べていたそう。一方、南部は穀倉地帯で豊か、牛が多く育てられいます。郷土料理にも、そんな南北の食文化の違いが表れているんです。
乾杯は、マリアージュ相手のない(せつない)、フランチャコルタ。ワイン4種類では淋しいだろう、とのことで、アカデミー・デュ・ヴァンからのご好意だそう。
Cavalleri Franciacorta D.O.C.G. Brut Saten NV
焼き立てブリオッシュのような香ばしく甘い香り、はちみつのようなアフターフレーバーが華やか。
1つめのマリアージュは・・・
Breaola(ブレサオラ)
牛肉のハム
ブレサオラはヴァルテッリーナ地方発祥で、IGP(保護指定地域表示)認定。例によって、牛肉のハムが輸入禁止とのことで、スペック(生ハムを燻製にしたもの)とコッパ(豚肩ロースのハム)で代用。
Aldo Rainoldi Valtellina Superiore Prugnolo 2006
品種はキアヴェンナスカ。ピエモンテ州のバローロ、バルバレスコで使われるネッビオーロの別名です。州北部のキアヴェンナの街で取引されていたことからこの名前が付いたのだとか。銘柄名のヴァルテッリーナは渓谷の名前。やや淡い色合いで、少しだけクセのある香り。軽めの味わい。
2つめのマリアージュは・・・
Costoletta alla Milanese(コストレッタ・アッラ・ミラネーゼ)
仔牛のカツレツ、ミラノ風
コストラとはラテン語由来で、肋骨のこと。コストレッタは肋骨まわりのお肉。カツレツの衣にチーズを混ぜ込むところがミラノ風。繁栄したミラノのゴージャスで金ぴかのイメージを表しているのだとか。
Risotto alla Pilota(リゾット・アッラ・ピロータ)
ピロータ風リゾット
ピロータは精米に使う臼のこと。精米業者が仕事のかたわら作るリゾットだそうで、ブイヨンに生米を放り込んだらそのまま炊き上げるだけ。
Cantina di CASTEGGIO Console Marcello Oltrepo Pavese BARBERA 2004
濃い赤紫色。フルーティーで、アルコール度数が高い(14%!)ので、甘みを強く感じます。コストレッタの赤ワインソース、リゾットに入ったサルシッチャと相性良し。
3つめのマリアージュは・・・
Ossobuco alla Milanese(オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ)
仔牛のすね肉の煮込み、ミラノ風
オッソは骨、ブーコは穴の意味で、もともとは輪切りにして骨髄のところが見えているすね肉を煮込んだもの。鮮やかな黄色のサフランのリゾットと、にんにく、パセリ、そして黄色いレモンの皮をみじん切りにしたグレモラーダをかけるところがミラノ風。
BARBACARLO Oltrepo Pavese Rosso Vigna Barbacarlo 2002
ビオ特有の馬小屋のような香りを飛ばすと、フルーティーさが際立ってきます。この日一番好きだったのはこのワイン。少し気難しいワインの方が好み。
4つめのマリアージュは…
Pizzoccheri di Teglio(ピッツォッケリ・ディ・テーリオ)
テーリオ産そば粉のパスタ
テーリオは、ヴァルテッリーナ渓谷の名前の由来ともなった村の名前。標高800メートル以上の高地にあるため、土地が痩せていてそば粉が有名なのだそう。旬のきのこのパスタ。
Balgera Valgera Valtellina 1999
とにかく軽~い赤。アルコール度数も低めの11.5%。フレッシュな酸味が中心です。そば粉のパスタと合うかと言うと…ちょっと微妙かな。フランチャコルタと一緒にいただきました~
残さず全部飲みました~
さてさて、日曜日にいよいよ憧れのボルドーへ旅立ちます!
授業の前、ボルドーガールズ全員集合して最終打ち合わせも済ませました。写真は仕事さながら、資料を前に、iPadを駆使しつつ検討中の図。ウコンと日経トレンディのヒット商品ランキングに入ったしじみ70個分のお味噌汁はもちろん、部屋飲み用ワイングラスと栓抜きも忘れずに~奈良漬けになりそう。
写真は新しく購入したSONY NEX5Dで撮影してみましたよ~