2009年11月15日日曜日

ADV2 イタリア南部の回

授業の復習ブログをずいぶんサボってました・・・

第4回の授業はイタリア中南部。「質より量」だった低迷の近代史やイタリアのワイン法、二大銘譲地の一つであるトスカーナ州における栽培品種や第1回の授業で試飲したサッシカイアなど「スーパー・タスカン」についてと、イタリア中南部のその他の州について学びました。

大学時代、「地球の歩き方」片手の貧乏旅行で、フィレンツェ名物のビフテッカ・フィオレンティーナを食べながら飲んだキャンティ・クラシコが本当に美味しかった。そのとき、マリアージュと千鳥足をはじめて経験したんじゃなかったかなぁ。いまや毎週のことですが・・・

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さて、この回はご覧のとおり最初っから赤。#1から3は全て2006年のキャンティ・クラシコです。

#1 産地:Toscana D.O.C.G.:Chianti Classico 品種:Sangiovese 100% 生産者:Fattoria Poggiopiano 収穫年:2006 価格:2,625円

(味わい・余韻)濃縮された果実味とそれによる甘み、アルコールのボリュームが高い。どろっとした感じ。フルボディ
(合わせたい料理)煮込み料理

サンジョベーゼ100%の海外市場をばっちり意識したモダンなスタイル・・・(やっぱり)18か月樽熟成させていますが、果実味中心になるよう新樽を少なめにして、樽香を意図的につけていない。


#2 産地:Toscana D.O.C.G.:Chianti Classico 品種:Sangiovese 90%、Canaiolo, Colorino 10% 生産者:Castello Monsanto 収穫年:2006 価格:3,465円

(香り)ボリュームは中程度。黒スグリやブルーベリー、白コショウ。樽香やや感じるが、それほど強調されてない。(味わい・余韻)スムーズな口当たり。中程度の酸味を感じる。渋み、果実味は強くない。バランスが良く、ややスパイシー感のあるタンニンとよく溶け合っている。余韻は7秒程度。ややトマトピューレのような野菜のニュアンスを感じる
(合わせたい料理)ローストチキン、ポークソテーやポワレなどやや軽めの肉料理。ミートソーススパゲティ

カナイオーロ種のブドウも混ぜて、スロベニア産の樽で15か月熟成させた、いわゆる伝統的なスタイル。キャンティ・クラシコらしいワイン。大学時代にフィレンツェで飲んだのもこのタイプだったとすると、なぜあんなにミーティーな牛肉のステーキにぴったり合ったのかしら?


#3 産地:Toscana D.O.C.G.:Chianti Classico 品種:Sangiovese 95%、Cabernet 5% 生産者:Agricola Querciabella 収穫年:2006 価格:4,095円

(香り)ややボリュームあり。黒コショウ、丁子などのスパイシー香。ブラックベリー、黒スグリ。樽香はやや強めで、バニラやロースト香がする
(味わい・余韻)酸味がやや強め。辛口。タンニンは中程度からやや豊富。とてもドライで引きしまったニュアンス。ミディアムからフルボディ。スパイシーな後味があり、余韻は8秒程度
(合わせたい料理)骨付き仔羊など、脂分の多い肉料理


#4 産地:Campania D.O.C.G.:Taurasi 品種:Aglianico 100% 生産者:Mastroberardino キュヴェ名:Radici 収穫年:2004 価格:5,250円

(外観)ガーネット、中心が黒ずんでいる。粘着性高め
(香り)黒い果実、黒コショウなどのスパイス。バニラのような樽香が強い
(味わい・余韻)カシスリキュールのような濃厚な果実美。アルコール度数が高いため甘みを感じる。タンニンも豊富だが果実味があるためざらざら感じない。樽風味が鼻に抜ける。フルボディ。余韻9秒程度。カシスリキュールやスパイスの後味
(合わせたい料理)牛肉や内臓の煮込み、オックステイルの赤ワイン煮など、強い料理

飲んでみたかったタウラージ。この日飲んだ中では一番かな。どっしりどっかーんとした感じ。モダンスタイルのワインのようには甘ったるくない。往年の千代の富士の肩のあたりを思い出す・・・


#5 産地:Sicilia L.G.T.:Sicilia 品種:Nero d'Avola 100% 生産者:Terre di Ginestra 収穫年:2006 価格:2,095円

(香り)強め。濃縮した果実のリキュール、カシスなど。黒コショウのようなスパイス香も。樽香が中心ではない
(味わい・余韻)甘苦く、リキュールの濃密さ。タンニンは豊富だがタウラージほど目が詰まっておらず、丸い。収れん性を感じない。グラマラス、アルコリック、フルーティー。ミディアムからフルボディ。余韻は5秒程度
(合わせたい料理)猪肉や鹿肉の赤ワイン煮込みなど、クセのある煮込み料理。蝦夷鹿や山鳩のロースト

シチリア島のワイン。ネロ・タヴォーラ種で作るとこんな感じでアルコリックで果実味が強くなるそう。


#6 産地:Toscana D.O.C.:Vinsanto del Chianti 品種:Trebbiano 55%、Malvasia 35%、Sangiovese 10% 生産者:Fattoria dei Bardi 収穫年:
2004

(外観)やや濃いめの琥珀色、粘着性が高い
(香り)キャラメル、ドライフルーツ、樽香が溶け込んでいる
(味わい・余韻)ドライフルーツの甘さとほどほどの酸味
(合わせたい料理)プディング、カステラ、カヌレ・ド・ボルドー、クレーム・ブリュレ

干しぶどうから造ったワイン。メープルシロップたっぷりのパンケーキとかとも合いそう。冬、暖炉の前で編み物をしているおばあちゃんのイメージ

イタリア、ワイン、というと、旅行の記憶以外では、ポンペイの遺跡を思い出します。宴会が半日以上も続くので、ベッドに寝そべって飲み食いして、おなかがいっぱいになったら手を口に突っ込んで吐く。それで、掃除がしやすいよう、部屋の奥の方の床を高めに作ってあったとか。中世頃のフィレンツェでも、一人あたり年間230ℓものワインを飲んでいたんだって。フランスと比べて、何か豪快ですね。お国柄かな。