2010年7月25日日曜日

monochrome-伝えるという事-

うだるような暑さの中、東京芸術劇場5Fの展示ギャラリーで本日17時まで開催中の、「第二回monochrome展」へ。ちょうど、”小さな町の書道教室”を舞台にした野田秀樹さんの「ザ・キャラクター」も公演中。根気良く、当日券に並んでいる人たちを横目に長いエスカレーターを上がると、すぐ目の前。


お世話になっている、ふたばの街書道教室、武田双龍先生の「夢」がお出迎え。「夢」は、今回で二回目の開催となるmonochrome展が追い続ける重要なコンセプトの一つ。お隣の引き立て役は、ニコライ・バーグマンのフラワーアレンジメント。紫のトルコキキョウとドライフラワーのアジサイです。


ふたばの街教室178名、ふたばの風教室13名の作品が9つのブースに展示されています。

書や筆運びの素晴らしさもさることながら、何が書かれているか、で心動かされるのが今回の作品展の素敵なところ。書には興味がない、という方でも楽しめます。

内山香織さんの「Roses are Red」。そのままのあなたが素敵、といった意味かな。


歌詞を引用するときは、「~の詩を書く」と書くのがルール。
田中聖子さんの「ほんとうはね、」は奥田民生のThe STANDARDから。


下の写真は、作品の隣に貼ってある、作品のタイトルと40文字(以内)の説明が書かれたカード。作品とカードの合わせ技で表現する、という方法もあるんだな~

相馬言成くんの「慈~ありがとう~」。同じ曜日、時間帯に通っている、小学6年生の男の子の作品です。伝えたいのは、ご両親への想いだそう。じ~ん・・・


坂久美さんの「伝えられなかった感謝」は、先生曰く、一番値段が高い墨を使って書かれた作品だそう。同じ黒でも、濃淡、ぼかしや筆脈の表し方で印象ががらっと違う。全紙二分の一という縦長の紙のサイズも、またこの作品を引き立てています。


小野祥子さんの「波」は、まさに、大きな波にサーファーが乗っているような、明るく楽しいイメージ。毎月、3回ある教室のうち、1回は創作書道の練習をするんですが、簡単に見えてかなり難しい。


堀尾麻美子さんの「感」。先生との会話を小耳にはさんだところによると、毛足の長い筆を使われたのだとか。筆のおもむくままに書き進めることで、流れるような優しい表現ができるんですね。


先生のアシスタントをされている、折笠香泉さんの「響」。いつも優しく温和な人柄とは対照的な、ソウルフルな書。クールです。


立松三枝さんの「しんこきゅう」。深呼吸を書いた方が二名いらっしゃったのですが、おそらく。小さなサイズの作品も、丁寧に仕上げられているのが伝わってきて、いいですね。みずみずしい。


砂山きく子さんの「-ソウ(サウ)-」。想も、何人か書いた方がいらっしゃったので、おそらく。美しい月を見上げながら想いを馳せ、感極まって空に向かって手を伸ばす・・・そんな光景が思い浮かびます。太線と細線のバランス、構成が美しい。


荻田優子さんの「古-いにしえ-」と、和田耕一さんの「Love Love」。
二つ並んだ感じが、いい。


各ブース毎にテーマがあり、双龍先生が書いたフラッグが掛っています。
定番の「愛」。


山下正美さんの「願-ねがう」。へんとつくりを分解して、抱きかかえるようなかたちにした文字と、薄墨がサーモンピンクの布地に映えます。


ちなみに・・・私の作品はこんな感じに仕上がっていました。



洋室にも飾れるよう、掛け軸ではなくパネルで、布地は基本的に業者さんにおまかせ、ただし「ワインを思わせる色にして下さい」と書いておいたら、希望どおりの色でした。先生のお友達で、飲食店を経営されている方が、お店に飾りたいとおっしゃって下さっていたとか。光栄です。

「輪」のブースにありますよ。


想いがこもった作品をたくさん見たので、胸がいっぱいになりました。
私の想いも届くかな・・・

次回はもっと大きな作品に挑戦します!