趣のある小ぢんまりとした店構えの鮎正は、新橋の再開発地域の角にぽつんと取り残された感じで建っていました。到着すると、ちょうど日比谷神社のご神体の移転が始まったところ。店の前を提灯を下げた神主さんや雅楽奏者が並んで厳かに歩いて行きます。まだ完全に日が落ちる前のたそがれ時、鮎正と行列の向こうにはオフィスビル群と700系の新幹線。新しいものと古いものが混在した、とても不思議な雰囲気でした。「千と千尋の神隠し」の世界に迷い込んだような感じ・・・
まずは、前菜。
授業で何度も何度も聞かされた「鮎にはサンセールの白」。先生おすすめのマリアージュをいよいよ楽しみます。アティテュード、プイィ・ヒュメ、プティブルジョワの3種類。白のみ、はめずらしい。
御椀白味噌仕立。骨まで軟らかな、鮎こくです。
鮎背越し。中骨のあるままぶつ切りのお刺身にしてあります。鮎こくとは一転、骨の歯ごたえが面白い。
鮎包み焼。塩焼きの順番待ちで、先に包み焼きが来ました。はらわたをとった中に、甘いお味噌を詰めてあります。これは、赤にも合いそう。
鮎塩焼き。鮎のわたの苦味とソーヴィニヨン・ブランの苦味がよく合います。
鮎酒。鮎をまるごとお酒に入れてお燗にしてあるのを、小さな柄杓でお猪口に注いでいただきます。
子うるか。真子(卵巣)と白子(精巣)の塩辛です。真子はとびこのようなぷちぷちした食感で、数の子のような味。白子は、とろとろ系ではなく、ふわふわ系。
鮎素揚げ。写真があるということは、食べたということ。でも、あまり覚えてない!もったいない・・・
鮎ごはんと香のもの。
水菓子。かき氷の中に青梅が入ってました。